新日本科学は1日、イナリサーチにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。全株式の取得による完全子会社化を目指しており、買付代金は最大26億9892万円。イナリサーチとの一体運営を実現し、医薬品に関する非臨床(前臨床)事業の強化やグローバル展開を推し進めるのが狙い。イナリサーチはTOBに賛同している。イナリサーチ株の買付価格は1株につき900円で、TOB公表前日の終値637円に41.29%のプレミアムを加えた。買付予定数は299万8800株。買付予定数の下限は所有割合66.7%にあたる199万9200株に設定。イナリサーチの中川賢司社長ら創業家は保有する22.69%の株式をTOBに応募することで合意している。買付期間は6月2日~7月13日。決済の開始日は7月20日。公開買付代理人はSMBC日興証券。イナリサーチは医薬品、食品メーカー、大学などから委託を受け、実験動物や細胞を用いて開発薬物や食品素材の安全性、有効性の確認などを行う試験(非臨床試験)を手がける。1974年に信州実験動物センターとして設立。1989年に現社名に変更し、2008年にジャスダック市場に上場した(2022年4月に東証スタンダード市場に移行)。